先週は大変忙しかった――と書くと、
「半ヒキのおまえがなんで忙しいんだ? ああ?」と言われそうだが、実際忙しかったのだから仕方ない。
この春、数人の日本人が帰国し、代わりに数人やって来る。
で、歓送迎会が何度も何度も開かれるのだ。
先週は4回歓送迎会が開かれた。
これは半ヒキにとっては、かなり過酷な状況だ。
日本人だけでメシ食ったり、酒飲んだりならば、まだいい。
しかし、異人さんと共に飲んだり食ったりしなければならないのだ。
異国の地にいるのだから、あたりまえと言えばあたりまえだけど。
いや、異人さんと一緒でも、ただ飲んだり食ったりだけならまだOK。
しかし、そうはいかない。
なぜなら、話しかけられるからだ!
挨拶するくらいなら、まだいい。
しかし……
俺に話しかけるな!
察しろ!
空気読め!部屋の片隅で目立たぬように酒を飲んでいるのは、話しかけられたくないからだ!
それくらい分かるだろ、ふつう。
俺専用通訳の嫁さんも、最初は俺と一緒にいるが、ずーっと一緒にいるわけではない。
俺一人ぼっちになる時間もしだいに増えてくる。
そんな時に話しかけてくる、空気を読めない奴が必ずいるのだ。必ず。
「ニホンノカタデスカ?(英語で)」
「え、あ、そうです(あたりまえだろ?)」
「トウキョウカラキマシタカ?」
「そ、そうです(関西人だけどな)」
「トウキョウハあしkふぁおえrじゃn?」
「え? なに?」
「アナタハあhsfなおえhんいあえhデスカ?」
わかんねーんだよ!
とたんにわかんないんだよ!
完全に見失ってるんだよ。世界地図持って、見知らぬ土地を歩いているようなものだ。
サッカーしか知らないブラジルの少年が、いきなり東京ドームのマウンドに立たされたみたいなものだ。
俺にどうしろと?
空気読まないおまえが悪いんだよ!
そんなこんなで、疲労は増すばかり。
土曜日は、来週帰国する女の子の家に夫婦で招待された。
20人くらい来るらしいが、ほとんど日本人だろうと思っていた。
しかし、あろうことか、
ほとんど異人さんだった……。
その日は、俺と仲の良い日本人料理人さんも来ていた。
料理人さんはたらふく飲めるということで、超ご機嫌だった。
しかし、続々と訪れる異人さんを目の当たりにして、
見る見るうちにブルーになっていく。
そう、料理人さんは、俺以上に英語が話せない。
部屋にあふれかえった異人さんに包囲され、ビールを異様なスピードで飲み続ける料理人さん。
わかるよ、あんたの気持ちは、嫌というほどわかるよ。
俺がそばにいてやるから心配するな。
なんの役にもたたないけどな。過酷な状況の中、超ハイペースで飲み続けた料理人さんは、途中ダウンしてしまい、タクシーで送還されてしまった。
力になれなくて申し訳ない。
俺も、後半の記憶がほとんどない。
酔っ払ってしまえば、外国でも日本でも関係なくなる。
捨て身の対処方法だ。
今週の歓送迎会もそれで乗り切ろう。
仕事量が増える俺の肝臓さん、ごめんなさい。
もう少しの辛抱ですよ。
posted by tanaka98 at 17:39|
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集団田中の田中さん
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